物理から明細書へ 加速度センサーの基本

加速度とは

加速度(英:acceleration)

単位時間あたりの速度の変化率のこと

例えば、下の図のように走行している自動車があります。

上に書かれた車は、4m/sあたりの速さで走行しています。1秒後に速度を調べると4m/sのままでした。

4m/s - 4m/s = 速度変化なし

一方、下の車は、1秒後には4m/sから6m/sに速度が変化しています。

4m/s - 6m/s = 2m/sの速度変化あり

1秒後の車の速度変化に注目した場合、速度に変化がなければ(この場合は上の車)、加速度は「0」になります。
一方、1秒後に速度が変化していた場合(下の車)、加速度が生じていることになります。

加速度は、速度の変化が起こる時に生じるものです。

よってものが動き出す時にも加速度が発生します。(0の状態から速度に変化があるため)

加速度センサー

加速度の概念を利用している技術のひとつに、加速度センサーがあります。

加速度センサーの動作原理を考える時、以下の図を利用して考えてみます。
下記のようにおもりのついたばねがあります。

ばね側におもりを押し(力を加えて)手を離すと、ばねが伸びます。
加速度センサーの動作検出の基本は、このばねの伸びを測定することです。

一般的な加速度センサーは、センサー内に大きな「おもり」があり、おもりがばねで支えられた構造を持ちます。傾けるなどして加速度が生じると、おもりに加速度とは逆向きの慣性力が働き、その時に生じる変位を検出します。

慣性力については、下記の記事で取り上げています。

身の回りの現象を物理の基本法則に結び付ける

2019年8月23日

特許を調べると、加速度センサーの構造原理にふれているものがいくつかありました。

【公開番号】特開2011-2300(P2011-2300A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【発明の名称】3軸加速度センサ
【出願人】
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社

【0005】 つまり、3軸加速度センサ1においては、加速度によって錘3が受ける慣性力に応じて梁4a〜4dが撓み、これに応じて梁4a〜4d上に形成されたピエゾ抵抗素子x1〜x4,y1〜y4,z1〜z4の抵抗が変化し、この抵抗変化に応じてX,Y,Z軸方向の加速度を検出する。
【0006】 ところで、図11及び図13に示したように、X軸方向(又はY軸方向)用のピエゾ抵抗素子x1〜x4と、Z軸方向用のピエゾ抵抗素子z1〜z4は、梁4a,4cの長手方向の同位置に配置されている。

※ピエゾ抵抗素子とは、ばねのゆがみ(変形)が生じた時、抵抗値が変わるような素子のことです。下記の図のように、おもりと梁(ばね)が繋がっていて、梁の両端にピエゾ抵抗素子が配置され、加速度が加わった際に生じるばねのゆがみを検出しています。

加速度センサーの他に、ジャイロセンサーがあります。

加速度センサーに対して、ジャイロセンサーは角速度センサーと呼ばれます。
角速度は1秒間にどれだけ角度が変わったかをあらわします。

加速度センサーとジャイロセンサーを組み合わせることで、動きや回転を検出することができます。(参考:村田製作所

加速度センサーとジャイロセンサーの技術は、カメラの手振れ感知やスマホなどに使われています。

次の特許は、時計に加速度センサーの技術が使われています。

 

【公開番号】特開2019-136136(P2019-136136A)
【公開日】令和1年8月22日(2019.8.22)
【発明の名称】エクササイズデータ表示装置およびエクササイズデータ表示方法
【出願人】
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社

【0001】
本発明は、エクササイズデータ表示装置およびエクササイズデータ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が歩行時に携帯して、歩数、歩行距離、歩行速度および歩行により消費したカロリー量を数値やグラフィック等で表示する歩数計が一般に知られている。更に、このような歩数計機能を腕時計などの電子端末に組み込んだものも知られている。人は歩行の際に手を振るため、その動きを腕時計の加速度センサで検知することにより、容易に歩数を検知することができる。
【0053】
歩行検知処理において、CPU211は、加速度センサ25によって加速度を検知し(ステップS10)、この加速度によって歩行を検知する(ステップS11)。そしてCPU211は、歩数と各歩行における運動強度を判定してエクササイズログ217に記録し(ステップS12)、ステップS16に進む。なお、CPU211は、計測した加速度に、ユーザの身長と体重と性別で決定される変換係数を乗算することで、各歩行における運動強度を求める。

人の動きによって、加速度センサ内に変位が生じ、その変位を利用して歩数を検出しています。

加速度センサーとジャイロセンサーは、MEMS(メムス)と絡めた特許が多数ありました。
次回、MEMSについての学習に広げていきます。

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イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める!物理のしくみ [ 川村康文 ]




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