目次
勉強開始から2年
先日、講座受講感想を提出しました。
受講感想と重複する部分もありますが、ブログでも改めて勉強開始から現在まで(2年間)の振り返りをしたいと思います。
2020年、激動の年でした。
いろいろ迷い、挑戦をし続けましたが、結論は一つです。
「継続すること」
これに尽きます。
継続し続けるために、その方法を模索していくことだと感じています。
どの成功者の方を見ても、「諦めずにやってきて良かった」という言葉が共通しています。
You tuberもそう、研究者も、起業家もこの言葉を異なったカタチで発信しています。
継続し続けることは容易ではありません。
気持ちを持続し、諦めないこと、常に良い体調を維持すること、決めたことをやり遂げること、そのどれもが欠けてはいけません。
2年前のわたし
2年前(2018年)、マスコミ関係のフルタイムの仕事をしていました。
主にマーケティング、Web関連の業務が中心です。
入社当初は管理部門(収支管理など)も数年経験しています。経歴からもわかるように、あらゆる分野を経験させてもらい、やりがいもあり、それなりに収入もいただいていました。
転帰は結婚と出産です。
自分の周りの環境が大きく変わり、仕事中心の生活から家庭中心の生活へ大きくシフトしていきました。
仕事面では無理ができなくなっていきました。子供の送迎、病気、行事などあらゆることで今までと同じような働き方はできなくなりました。
この環境の変化に付随して、時間が拘束される、いわゆる定時業務が私自身のライフスタイルと合わなくなってしまいました。
この頃から、専門的な仕事で、自分で24時間を自由に使える仕事へ興味を持つようになりました。
結論としては、「子供中心の在宅勤務」ができる環境を選択しようと考えはじめました。
特許翻訳の勉強開始
特許翻訳者になろうと決意した2018年12月。
フルタイムの会社員をしつつ、小学生と未就園児の子育てをしながら勉強をしていました。
この時期に使える時間は、早朝と夜中、会社での昼休み中のみでした。
この時の私の勉強時間は、平日が平均4時間、週末が6-8時間程度でした。
週に30-40時間程度しか捻出できませんでした。この頃のだいたいのスケジュールは下記の通りです。
(平日)
4:30 起床⇒勉強
6:00 家事、子供の送迎など
9:00 就業
18:00 子供のお迎え
19:00 家事全般
21:00 子供就寝後に、自分のお風呂時間と翌日の子供の準備
22:00 勉強
24:00 就寝
時間を捻出するために、削れるものは睡眠でした。
この頃は本当に身を削って日々を過ごしていました。慢性的な睡眠不足でした(おすすめはしません)。
働きながら勉強をしていく場合、いちばん大変なことは時間の確保だと思います。
とにかくデスクに座って勉強を進める時間を確保するのがとても難しかったです。
デメリットが多いように感じるかもしれませんが、働きながら勉強をするうえで、大きなメリットもあります。
自由に使えるお金(資金)が確保できることです。
翻訳に必要と感じたものは、躊躇なく購入しました。
(関連書籍、パソコン、CATツール、椅子、東プレキーボード、レーザープリンター、辞書など)
こちらでも購入時のことを詳しく書いています
東プレキーボードの使い心地は?【無料キーボードからの買い替え】
長時間のデスクワークや勉強でも疲れない椅子選び【在宅ワークにおすすめ】
logophileダウンロードと辞書の登録
「PayPay」決済でレーザープリンタ購入
化学と物理
基礎知識ゼロからの開始だったので、まずは化学、そして物理を進めました。
化学は7か月、物理は2.5か月程度かかりました。
化学と物理の勉強自体は楽しく、深く調べてしまうことが多かったので、常に意識していたことは、「翻訳をするうえで必要な知識」でした。
化学と物理だけで1年間のほとんどを費やすこととなり、当初の予定とは大きくずれていましたが、この期間はとても重要だったと感じています。
この時期はじっくりと特許を読みこむよりも、化学と物理をベースにして、そこに特許を紐付けするようにしていました(もし専門分野が決まっていれば、化学と物理の基礎から派生する専門分野の特許を読んでいくと良いと思います)。
当時活用していた書籍です。
現在も化学分野での仕事をする時に参考にしています。
対訳と向き合う
化学と物理で基礎を身につけた後に、いわゆる翻訳作業を開始しました。
とにかくこの時期は「真似る」ことを中心にやっていました。
公開されている特許を英日で比較して、対訳収集をしました。
パソコンでの作業が格段に増えたため、この時期にTrados、MemoQ、辞書数冊、マルチディスプレイ用のモニターを購入しました。
Trados、MemoQの「CATツール」の使い方に慣れつつ、公開されている対訳と自力翻訳との差を確認しながら、自分がどのレベルにいるのかを探っていたような時期です。
効率よく自分のミスパターンを視覚化するために、秀丸のテキストツールも活躍しました。
私はこちらの書籍を参考にしています。Kindle版で購入して、必要なワードで検索できるようにしています。
必要なマクロや動作初期設定の基本を学ぶことができました。
フルタイムの仕事を辞め、勉強に専念
勉強開始して2年目に突入する頃に、会社員生活にピリオドを打つことを決意しました。
十数年働いた会社を辞めることに、戸惑いはありませんでした。
それよりも睡眠時間を確保したいという思いと、翻訳の勉強に専念したいと思えるようになっていました。
会社を退社したのは、勉強開始から1年3か月目でした。
この頃に、専門分野を決定しました。
本来自分の興味がどこにあるかを考慮した結果、免疫学を一から学ぶことにしました。
(求人などもリサーチして、この分野でのニーズを確信したのも大きな要因です)
細胞生物学と免疫学を2か月ほどかけて基礎をつけていきました。
勉強方法は、1年目に化学と物理でやってきた方法を自分のなかで獲得していたので、迷いはありませんでした。
日本語の教材と英語版の両方を入手して、CATツールで専門用語や英語特有の表現などを対訳収集しながら、CATツールの操作にも慣れていくようにしました。
教材は、数多くありますが、たくさんの受講生にお勧めされている、こちらを使って学習しました。
Essential細胞生物学(原書第4版) (日本語)
エッセンシャル免疫学 第3版 (日本語)
かなりページ数もある大型本ですが、イラストも多く使われていて、初学者にもわかりやすい教材です。
こちらの原文(英語)版は、いずれも電子版で購入し、併用しています。
実際に仕事を始めた後も、こちらの教材は度々活用しています。
トライアル
トライアルについては、もちろん順調ではありませんでした。
実績のない状態では、書類選考すら通過できない日々が続きました。
返事なしはもちろん、実ジョブでの翻訳実績がないことが理由で断られることがほとんどでした。
不安は、勉強を続けることで解消していきました。
できることは何でもやっていきました。
クラウド系のサイトにも登録し、単発の案件を受注したこともあります。
(単発の仕事だと、マニュアル翻訳やカタログ翻訳がメインでした)
とにかく、あらゆる可能性を試してみた時期でした。
チャンスすらもらえない状態だったので、正直焦りはありましたが、自分の実力を上げていくしか道はないと思い、とにかく勉強を続けていきました。
この時期に支えになっていたのは、「プラトー(plateau)」状態を意識することでした。
講座のなかでも、繰り返し伝えられていたことです。
「やればすぐに結果がでる」と以前なら考えていましたが、目に見えない状態での自分の成長を確認していく作業はとても重要でした。
デスクの見える場所に、プラトーの図を掲示して、結果がでていなくても、確実に成長していることを信じて、とにかく勉強とトライアルのチャンスを探しながらの日々を過ごしていました。
自分との約束として、講座終了時には実ジョブを経験していくことを決めました。
そのために逆算して、今何をすべきなのかを常に確認しながら、軌道修正していきました。
そのうち、少しずつトライアルの機会も増えました。
トライアルは経験するごとに、自分の弱点や課題が見えてきました。
自分のミスパターンもトライアル中に見つけ、そのための対策として、ツールなどを活用しながら改善していきました。
初めてのトライアル合格は、勉強開始から1年9か月目でした。
この時点で、勉強時間の合計は3500時間になっていました。
この期間、勉強をしなかった日は2日ほどありました(体調を崩した)が、それ以外の日は、どんなに忙しくても、勉強を継続しました。
翻訳者として、何とかスタート地点に立つ
現在、英⇒日のメディカル系特許翻訳者として、仕事をできるようになりました。
まだスタートをきったばかりで、課題もたくさん残っています。
会社という守られた環境から、一人で仕事を開始することになりました。
トライアル合格から環境は一変し、ありがたいことに日々仕事と格闘する日々を過ごしています。
何が何でも翻訳業に参入すると決めていたので、その点で自分との約束は達成しました。
今までの「英語」学習を仕事にできるようになったことは、私にとってとても自信になりました。
まだプロとしてスタートしていくためには、圧倒的な努力と時間が必要だと感じています。
2021年、さらに一歩前進していくには、仕事をしつつ、勉強の余白を確立していくことが必要です。
仕事をすることで見えてきた新たな課題もあります。
目標はここには書きませんが、手帳に書き綴りました。
期間を決め、逆算して、2021年必ず結果を残します。
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