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入手困難になった消毒用アルコール
新型コロナウイルス感染の予防として、石鹸による正しい手洗い、手指消毒用アルコールによる消毒などが推奨されています。
薬局等で入手可能なアルコール消毒液ですが、その成分について触れてみます。
手指用消毒アルコールについて、厚生労働省のサイトで以下のように記載があります。
コロナウイルスは熱(70度以上で一定時間)及びアルコール(70%以上、市販の手指消毒用アルコールはこれにあたります)に弱いことがわかっています。
市販されている代表的なアルコール消毒を例にあげてみます。
こちらの「有効成分」に、エタノール(C₂H₆O)76.9~81.4vol% と記載されています。
スーパーや薬局などで市販されているアルコール消毒は、「指定医薬部外品」であり、日本薬局方規格でエタノール76.9~81.4 vol%の濃度です。
消毒などのアルコールと言えば、通常エタノールのことを指します。
エタノールとは
エタノールの別名は、エチルアルコール (ethyl alcohol)と言います。
エタノールは一般的に揮発性の無色の液体です。
構造式で書くとこのような形です。
右端の(ーOH)の部分はヒドロキシル基と呼ばれ、このヒドロキシル基の数が1つなので、一価アルコールと分類されます。
エタノールはお酒にも使われています。
お酒から想像できると思いますが、もともと、エタノールの原料はデンプンや糖蜜等で、それを発酵することでつくられます。
ニュースなどでも取り上げられていますが、消毒用アルコール不足に対応するため、全国各地の酒造メーカーさんが高濃度アルコールを商品として提供しています。
この状況の中、代替品があるのはとてもありがたいです。
厚生労働省でも不足する消毒用アルコールの代用として、酒造メーカーが作る高濃度アルコールを消毒液の代わりに使用可能になりました。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000620807.pdf
これから全国の酒造メーカーさんが、同様の商品を製造されると思います。
良心的な値段で、高騰する消毒アルコールの代用として有効だと思います。
山梨県笹一酒造さん http://www.sasaichi.co.jp/
久米仙酒造さん https://kumesenshop.com/SHOP/151450/184267/list.html
エタノールは、他にもエチレンを原料として製造する方法があります。
合成アルコールと呼ばれるもので、医療用や化粧品など工業用に使用されています。
無水エタノール
わが家には、無水エタノールと呼ばれるエタノールを常備しています。
消毒エタノールとよく似た名前ですが、消毒用エタノールとは区別されています。
こちらのサイトで、とても詳しく説明がされています。
無水エタノールは、エタノール含有が99.5vol%以上です。
名前の通り、ほとんど水を含まない、エタノールの純度が高いものです。
あっという間に蒸発してしまうため、水拭きができない箇所の清掃等に適しています。
消毒用エタノールのエタノール含有は、76.9~81.4vol%でしたね。
無水エタノールよりエタノール濃度が低いので、その場にとどまり、アルコールの効果を発揮するので消毒用として使用されています。
私は、この無水アルコールは、掃除用(除菌もかねて)に使用したり、夏場は虫除けとして活用しています。
健栄製薬さんのサイトでも紹介されていますが、ハッカ油と精製水とあわせて、虫除けスプレーをつくっています。
ハッカ油がなくても、他の精油でも代用できます。
ハッカ油は、虫が嫌がる成分で、靴箱などに数滴垂らすと消臭効果もあるのでおすすめですが。
メタノールとは
エタノールとよく似たメタノールもあります。
エタノールと同じように、アルコールの一種ですが、まったく異なります。
構造式も似ていますね。
別名は、メチルアルコール。
こちらは、アルコールランプなどの燃料やホルマリンの原料となります。
メタノールは危険物第四類アルコール類に指定され、引火の危険性の高い液体です。
その理由は、メタノールの70%が天然ガスから生産されているからです。
このエタノール、実は私たちの生活を下支えしている、とても重要なものです。
接着剤や塗料の原料に使われたり、化粧品の原料としても使用されています。
また、燃料電池などエネルギー源としても期待されています。
エタノールとメタノール、同じアルコールの一種で似ていますが、活躍の分野は異なっていますね。