キーワード集:第5世代移動通信システム 5G

5Gの商用化

日本では2020年東京五輪までに商用化を計画している、5G。
アメリカや韓国ではすでに導入され、中国でも11月1日から大手電話会社での商用化が発表されました。

中国5G商用サービス開始、50都市13万ヵ所
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51638450R31C19A0FFE000/
ー2019/10/31 日本経済新聞社より

5Gによって何が変わるのか、また5Gは一体何なのか。
備忘録もかねて、記事にまとめます。

第5世代移動通信システム 5Gとは

5Gとは、第5世代移動通信システムの略称。
5th Generationの頭文字をとって5G呼ばれます。
5世代目ということで、1~4世代の移動通信システムについても触れておきます。

移動通信システムの進化(第1世代から第5世代)

1G アナログ方式(音声通話)
2G デジタル方式(低速データ)パケット通信、メール
3G 世界共通のデジタル方式(高速データ)静止画カメラ、ブラウザ、動画
4G (超高速データ)高精細動画
5G ????

では次世代の5Gでは何が変わるのでしょうか。

5Gの重要キーワード3つをあげながら考えていきます。

キーワード1 多数同時接続

多数同時接続は、mMTC (massive Machine Type Communications)と呼ばれます。
1平方キロメートル当たり100万台の端末が接続できるようになると言われています。
これは、現在の第4世代である4Gの100倍の接続数に相当します。

Samsung(サムスン)のサイトでは、下記のように記載がありました。

mMTC (massive Machine-Type Communications):
This technology sets the foundation for an IoT (Internet of Things)-powered future where the majority of our devices will be connected. 5G will support mMTC, allowing machines (up to one million devices within an area of one square kilometer) to communicate with one another with only minimal human involvement.

mMTC will also support various industrial applications.
For example, the modification of manufacturing processes based on real-time demands from consumers will be made possible via 5G connection modules incorporated into factory equipment. Furthermore, inventory organization will be improved while product defects will be reduced, thanks to the enhanced deep learning capabilities of robots connected via 5G.

物とインターネットがつながるIoTの活用として、大量の機器が接続されることになります。
身の回りにあるスマートフォンやパソコンなどのあらゆる端末や機器が同時に接続できます。

例えば、5Gによって、工場で多数の産業用ロボットの制御を一斉におこなうなどが期待されています。

キーワード2 超低遅延・高信頼

超低遅延・高信頼は、URLLC (Ultra Reliable and Low Latency Communications)と呼びます。

現在の4Gでは、通信遅延は10ms(0.010秒)と言われています。
この数値が5Gでは、1ms(0.001秒)となり、通信において遅延が10分の1に短縮されます。

通信誤差が極力なくなり、ほぼリアルタイムに通信が可能になります。
これにより、5Gを活用して遠隔診療や介護支援の分野では、遅延を意識せずに、リアルタイムで遠隔地のロボットを操作し、診察や治療をおこなうことができるようになります。

5Gで1msの遅延を実現するために、エッジ・コンピューティングという技術が活用されます。

エッジ・コンピューティングとは、利用者が使う端末のネットワークの近くに専用サーバーを置き、通信データの処理を高速化する技術です。

Edge computing is a distributed computing paradigm which brings computation and data storage closer to the location where it is needed, to improve response times and save bandwidth.

現在は、インターネット経由で処理がクラウドに集中してしまい、データの通信には限界があります。
エッジ・コンピューティングは専用サーバーを端末近くに置くことで、通信処理を分散させ、よりリアルタイムな通信が可能になります。

キーワード3 高速・大容量

5Gでは、たくさんのデータを高速・大容量で送ることができるようになります。

具体的には4Gでは最大1Gbpsの通信速度が、5Gでは最大20Gbpsの値を実現する予定です。
この実現のために、ビームフォーミングという技術が使われます。

ビームフォーミングとは、電波を細く絞って、特定の方向に向けて集中的に発射する技術のこと。
基地局と端末の間の電波干渉を減らし、より遠くまで電波を届けられるようになる。

KDDIより

画像引用 UQwimaxより

全方位を電波を放射している従来の通信方法と違って、ビームフォーミングは特定の端末に向けて電波を放射します。
端末を狙い撃ちするため、電波干渉を押さえ、より集中的に通信を行うことができます。

引用: 総務省

5Gの周波帯域

5Gの通信サービスを提供するためには、現在の4Gで使われている周波数に加えて、新たな周波数帯域が必要です。

引用: au

5Gの周波数は、日本では4社の携帯会社(キャリア)に割り当てられることが決まっています。

総務省は、3.7GHz/4.5GHz帯の6枠(各100MHz幅)と、28GHz帯の4枠(各400MHz幅)を以下のキャリアに割り当てました。

  • NTTドコモ
  • KDDI/沖縄セルラー
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル

参照した携帯会社の5Gに関する特設ページ

NTTドコモ https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/5g/index.html
ソフトバンク https://www.softbank.jp/biz/5g/
KDDI https://www.au.com/mobile/area/5g/
楽天モバイル https://mobile.rakuten.co.jp/corporate/5g/

 




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